8月8日の約束…
歴史ある商店街にて
綾乃は嬉しかった。
少しずつだが、悠理が明るくなってきていたからだ。
まだ、昔みたいに完全に明るくなった訳ではないが、それでも笑顔が戻りつつある…。
━━2018年7月のある土曜日。
シフトの関係で、綾乃は仕事が休みだった。
「悠理ちゃん。」
と、綾乃が声を掛けた。
「どうしたの?」
悠理が答えた。
「今日、私も悠理ちゃんも休みだから、一緒に何処かに出掛けない?」
と、綾乃が訊いた。
「うん、いいよ。」
と悠理は答えた。
━━二人は《オリオン通り商店街》に来ていた。
商店街というと、小さなアーケード通りを想像するだろうか?
しかし、オリオン通り商店街は違う。
昭和23年12月に出来た歴史ある商店街だ。
更に昭和42年には、全長280mに渡る全蓋(ぜんがい)アーケードが設置され、三角の屋根や石畳が印象的な、北関東随一の広域型商店街である。
「何か、良い感じの商店街だね。」
と悠理は言った。
「でしょ。」
綾乃は答えた。
しばらく歩いていると、
「━━悠理?」
何処からか、悠理を呼ぶような声がした。
悠理は、声のした方を見た。
━━遥香だった。
「遥香。」
悠理は笑顔になった。
遥香は、二人の女性と一緒にいた。
遥香は綾乃と目が合うと、
「初めまして、石森遥香です。」
と、頭を下げた。
「初めまして、悠理の従姉妹の菅井綾乃です。」
と、綾乃も頭を下げた。
「菅井さん?」
と、遥香と一緒にいる女性の一人が言った。
「石森様。」
と、綾乃は頭を下げた。
「お姉ちゃん達、お知り合いなの?」
と、遥香はその女性━━石森未央奈(いしもり・みおな)を見た。
━━石森未央奈、身長160cm、21歳。
肩先までの少しウェーブのかかった栗色の髪に、クリっとした目が特徴の美女だ。
「うん、私が通ってるエステの店員さん。」
と、未央奈は答えた。
「そうなの?」
今度は、悠理が綾乃を見た。
「うちのお店のお客様。」
と、綾乃が答えた。
どうやら、綾乃と未央奈は知り合いのようだ。
悠理は、もう一人の女性と目があった。
「初めまして、未央奈の友人の長沢みなみです。」
と、その女性━━長沢みなみ(ながさわ・みなみ)は頭を下げた。
━━長沢みなみ、身長155cm、21歳。
軽く前髪を流した茶髪のロングヘアに、童顔がよく似合っている美女だ。
顔も声も可愛らしいので、《妹キャラ》っぽいが、実は長女でもある。
「みなみさんは、看護師さんなんだよ。」
と、遥香は悠理に説明した。
悠理は未央奈の服装に見とれていた。
未央奈は、《オフショルダー》といわれている、首から肩までが露出している、服を着ていた。
━━綾乃のお店で磨き上げたであろう鎖骨が、眩しすぎるほど美しかった。
(遥香のお姉さんは美人だから似合うけど、私が着ても似合わないだろうなぁ…)
と、悠理は思っていた。
それに気付いた遥香は、
「お姉ちゃんの服、色っぽい?」
と、悠理に訊いた。
「うん。」
と、悠理は頷いた。
「ごめんね、ウチのお姉ちゃん、ストイックな変態なの。」
と、遥香が悪戯っぽく謝った。
「こら、言い方!!」
と、未央奈もプク顔で怒る。
━━遥香、未央奈、みなみは笑い出した。
その光景を見た、悠理も笑顔になっていた。
それを見た綾乃は思った。
(悠理ちゃんが最近明るくなったのは、この遥香ちゃんのおかげかな?)
綾乃も笑顔になった。
━━帰りの車の中。
「友達の名前、遥香ちゃんだっけ?」
と、綾乃は運転しながら訊いた。
「うん。」
悠理は頷いた。
「可愛い子だね。」
綾乃は言った。
「うん。」
と、悠理は答えた。
「同じクラスの子?」
と、綾乃は訊いた。
「ううん、公園で知り合ったの。
欅女子高って言ってた。」
悠理は答えた。
「欅は、結構偏差値の高いお嬢様学校よ。」
と、綾乃が答えた。
ちなみに偏差値は、
欅女子高59
日向高校49
乃木学園69
である。
悠理は栃木に来る際、不登校などで勉強が遅れている可能性もある為、念の為にランクを下げておいたのだ。
(遥香ちゃん、ありがとう…)
綾乃は心の中で感謝していた…。
少しずつだが、悠理が明るくなってきていたからだ。
まだ、昔みたいに完全に明るくなった訳ではないが、それでも笑顔が戻りつつある…。
━━2018年7月のある土曜日。
シフトの関係で、綾乃は仕事が休みだった。
「悠理ちゃん。」
と、綾乃が声を掛けた。
「どうしたの?」
悠理が答えた。
「今日、私も悠理ちゃんも休みだから、一緒に何処かに出掛けない?」
と、綾乃が訊いた。
「うん、いいよ。」
と悠理は答えた。
━━二人は《オリオン通り商店街》に来ていた。
商店街というと、小さなアーケード通りを想像するだろうか?
しかし、オリオン通り商店街は違う。
昭和23年12月に出来た歴史ある商店街だ。
更に昭和42年には、全長280mに渡る全蓋(ぜんがい)アーケードが設置され、三角の屋根や石畳が印象的な、北関東随一の広域型商店街である。
「何か、良い感じの商店街だね。」
と悠理は言った。
「でしょ。」
綾乃は答えた。
しばらく歩いていると、
「━━悠理?」
何処からか、悠理を呼ぶような声がした。
悠理は、声のした方を見た。
━━遥香だった。
「遥香。」
悠理は笑顔になった。
遥香は、二人の女性と一緒にいた。
遥香は綾乃と目が合うと、
「初めまして、石森遥香です。」
と、頭を下げた。
「初めまして、悠理の従姉妹の菅井綾乃です。」
と、綾乃も頭を下げた。
「菅井さん?」
と、遥香と一緒にいる女性の一人が言った。
「石森様。」
と、綾乃は頭を下げた。
「お姉ちゃん達、お知り合いなの?」
と、遥香はその女性━━石森未央奈(いしもり・みおな)を見た。
━━石森未央奈、身長160cm、21歳。
肩先までの少しウェーブのかかった栗色の髪に、クリっとした目が特徴の美女だ。
「うん、私が通ってるエステの店員さん。」
と、未央奈は答えた。
「そうなの?」
今度は、悠理が綾乃を見た。
「うちのお店のお客様。」
と、綾乃が答えた。
どうやら、綾乃と未央奈は知り合いのようだ。
悠理は、もう一人の女性と目があった。
「初めまして、未央奈の友人の長沢みなみです。」
と、その女性━━長沢みなみ(ながさわ・みなみ)は頭を下げた。
━━長沢みなみ、身長155cm、21歳。
軽く前髪を流した茶髪のロングヘアに、童顔がよく似合っている美女だ。
顔も声も可愛らしいので、《妹キャラ》っぽいが、実は長女でもある。
「みなみさんは、看護師さんなんだよ。」
と、遥香は悠理に説明した。
悠理は未央奈の服装に見とれていた。
未央奈は、《オフショルダー》といわれている、首から肩までが露出している、服を着ていた。
━━綾乃のお店で磨き上げたであろう鎖骨が、眩しすぎるほど美しかった。
(遥香のお姉さんは美人だから似合うけど、私が着ても似合わないだろうなぁ…)
と、悠理は思っていた。
それに気付いた遥香は、
「お姉ちゃんの服、色っぽい?」
と、悠理に訊いた。
「うん。」
と、悠理は頷いた。
「ごめんね、ウチのお姉ちゃん、ストイックな変態なの。」
と、遥香が悪戯っぽく謝った。
「こら、言い方!!」
と、未央奈もプク顔で怒る。
━━遥香、未央奈、みなみは笑い出した。
その光景を見た、悠理も笑顔になっていた。
それを見た綾乃は思った。
(悠理ちゃんが最近明るくなったのは、この遥香ちゃんのおかげかな?)
綾乃も笑顔になった。
━━帰りの車の中。
「友達の名前、遥香ちゃんだっけ?」
と、綾乃は運転しながら訊いた。
「うん。」
悠理は頷いた。
「可愛い子だね。」
綾乃は言った。
「うん。」
と、悠理は答えた。
「同じクラスの子?」
と、綾乃は訊いた。
「ううん、公園で知り合ったの。
欅女子高って言ってた。」
悠理は答えた。
「欅は、結構偏差値の高いお嬢様学校よ。」
と、綾乃が答えた。
ちなみに偏差値は、
欅女子高59
日向高校49
乃木学園69
である。
悠理は栃木に来る際、不登校などで勉強が遅れている可能性もある為、念の為にランクを下げておいたのだ。
(遥香ちゃん、ありがとう…)
綾乃は心の中で感謝していた…。