8月8日の約束…
8月8日の約束…
悠理と遥香は、二人でオリオン通り商店街に来ていた。
先日、綾乃といる時は、お互い用事があったので、軽い挨拶程度で別れてしまったが、今回は、二人で待ち合わせして遊びに来ていた。
悠理は、オリオン通り商店街の雰囲気が好きだった。
新しい感じの店も増えているが、レトロな感じもしっかり残っている…。
石畳独特の感覚も歩いていて心地良かった。
━━その時…。
一人の外国人が、困ったようにキョロキョロとしていた。
「あの人、何か困ってるのかな?」
と、遥香が言った。
「うん。」
と悠理は頷いた。
「でも私、英語苦手だしなぁ…。」
と遥香は悠理を見て、
「悠理は、英語話せる?」
と訊いた。
「少し…なら…。」
と、悠理は答えた。
「悠理、助けてあげたら?」
と、遥香が言った。
「うん。」
と悠理は頷いた。
━━二人は、その外国人に歩み寄った。
そして、悠理は流暢な英語で会話をした。
外国人は、問題が解決したらしくお礼を言って去って行った。
「……。」
遥香は、ポカンとしていた。
「どうしたの?」
と、悠理が訊いた。
「悠理、すごーい!!」
と、遥香は驚いていた。
「あ、ありがとう…。」
悠理は、照れ臭そうに答えた。
「あの人は何で困ってたの?」
と、遥香は訊いた。
「落し物をしたみたいで、近くの交番の場所が知りたかったみたい。」
と、悠理は答えた。
「悠理すごいね。
バイリンガルじゃん。」
と、遥香は感心していた。
「ありがとう。」
と悠理は言った。
「私、10歳くらいまで大阪に住んでたんだ。」
と、遥香が言った。
━━遥香は気付かなかったが、悠理は一瞬、ハッとした。
「だから私も、大阪弁と栃木弁のバイリンガルなんだ。」
と、遥香は悪戯っぽく笑った。
━━大阪弁と栃木弁ではバイリンガルとは言わない。
「バ、バイリンガルって…。」
悠理は苦笑した。
━━二人は、公園に場所を移した。
二人が出会った公園である。
その公園には、木製の屋根付きのベンチがあった。
二人は、そのベンチに腰掛けていた。
「私と悠理、同じ誕生日だよね?」
と、遥香が訊いた。
「うん。」
悠理は答えた。
「じゃ、その記念を残そうよ。」
と、思いついたように遥香が言った。
「記念…?」
と、悠理は訊いた。
「うん。」
と言って遥香は、バッグからサインペンを取り出した。
「それで何かするの?」
と、悠理は訊いた。
「ちょっとね。」
遥香は、悪戯っぽく笑って、柱へ何かを描き始めた。
《2001.8.8》と《YS & HI》と書いて、それをハートで囲んだ。
「落書きなんてして大丈夫?」
悠理は、心配そうに訊いた。
「ちょっとくらいなら平気でしょ。」
遥香は悪戯っぽく笑った。
「私達の誕生日だね。」
と、悠理は微笑した。
「うん。」
遥香は頷いた。
「でも、これだと…」
と悠理は言葉を濁した。
「どうしたの?」
遥香が訊いた。
「私達が…2001.8.8から…付き合い始めたみたい…かなぁ…」
って、悠理が言った。
「あ、ホントだ。」
と遥香は苦笑した。
━━それから二人は笑い出した。
「今年の8月8日、二人で出掛けない?」
と、遥香が訊いた。
「うん、いいよ。」
悠理は頷いた。
━━二人は8月8日に会う約束をした…。
先日、綾乃といる時は、お互い用事があったので、軽い挨拶程度で別れてしまったが、今回は、二人で待ち合わせして遊びに来ていた。
悠理は、オリオン通り商店街の雰囲気が好きだった。
新しい感じの店も増えているが、レトロな感じもしっかり残っている…。
石畳独特の感覚も歩いていて心地良かった。
━━その時…。
一人の外国人が、困ったようにキョロキョロとしていた。
「あの人、何か困ってるのかな?」
と、遥香が言った。
「うん。」
と悠理は頷いた。
「でも私、英語苦手だしなぁ…。」
と遥香は悠理を見て、
「悠理は、英語話せる?」
と訊いた。
「少し…なら…。」
と、悠理は答えた。
「悠理、助けてあげたら?」
と、遥香が言った。
「うん。」
と悠理は頷いた。
━━二人は、その外国人に歩み寄った。
そして、悠理は流暢な英語で会話をした。
外国人は、問題が解決したらしくお礼を言って去って行った。
「……。」
遥香は、ポカンとしていた。
「どうしたの?」
と、悠理が訊いた。
「悠理、すごーい!!」
と、遥香は驚いていた。
「あ、ありがとう…。」
悠理は、照れ臭そうに答えた。
「あの人は何で困ってたの?」
と、遥香は訊いた。
「落し物をしたみたいで、近くの交番の場所が知りたかったみたい。」
と、悠理は答えた。
「悠理すごいね。
バイリンガルじゃん。」
と、遥香は感心していた。
「ありがとう。」
と悠理は言った。
「私、10歳くらいまで大阪に住んでたんだ。」
と、遥香が言った。
━━遥香は気付かなかったが、悠理は一瞬、ハッとした。
「だから私も、大阪弁と栃木弁のバイリンガルなんだ。」
と、遥香は悪戯っぽく笑った。
━━大阪弁と栃木弁ではバイリンガルとは言わない。
「バ、バイリンガルって…。」
悠理は苦笑した。
━━二人は、公園に場所を移した。
二人が出会った公園である。
その公園には、木製の屋根付きのベンチがあった。
二人は、そのベンチに腰掛けていた。
「私と悠理、同じ誕生日だよね?」
と、遥香が訊いた。
「うん。」
悠理は答えた。
「じゃ、その記念を残そうよ。」
と、思いついたように遥香が言った。
「記念…?」
と、悠理は訊いた。
「うん。」
と言って遥香は、バッグからサインペンを取り出した。
「それで何かするの?」
と、悠理は訊いた。
「ちょっとね。」
遥香は、悪戯っぽく笑って、柱へ何かを描き始めた。
《2001.8.8》と《YS & HI》と書いて、それをハートで囲んだ。
「落書きなんてして大丈夫?」
悠理は、心配そうに訊いた。
「ちょっとくらいなら平気でしょ。」
遥香は悪戯っぽく笑った。
「私達の誕生日だね。」
と、悠理は微笑した。
「うん。」
遥香は頷いた。
「でも、これだと…」
と悠理は言葉を濁した。
「どうしたの?」
遥香が訊いた。
「私達が…2001.8.8から…付き合い始めたみたい…かなぁ…」
って、悠理が言った。
「あ、ホントだ。」
と遥香は苦笑した。
━━それから二人は笑い出した。
「今年の8月8日、二人で出掛けない?」
と、遥香が訊いた。
「うん、いいよ。」
悠理は頷いた。
━━二人は8月8日に会う約束をした…。