自分より大切なもの
出来上がった焼きそばを大皿によそり、使ったフライパンを水でゆすいだ。
・・・そう言えば、いつからだっけ?私があいつの事を気になり始めたのって……。何だかもう、ずっと前のような気もするけど……。
最初は本当に嫌いだった、若いってだけで女子生徒からはチヤホヤされて、私も同じ類だと思われるのが死ぬほど気に入らなくて、出来るだけ冷たく接してたっけ。「はい」か「いいえ」しか言わなかった。
友達もいなかったし、学校に行く楽しみなんて一つも無かった。朝起きて、支度して、学校に行って退屈な時間を過ごして、また次の日も同じことを繰り返して………。
あの頃は今よりももっと無口で無表情で、誰にも心を開けなかった。っていうか誰かに自分の心を開く必要なんて無いと思ってた。面倒だし鬱陶しいし、いつかは傷付くし………。