自分より大切なもの
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担任
「はい、じゃあここら辺で今日は終わりな。明日課題3ページ提出~。」
夏樹
「先生~、ライン教えて~!」
担任
「ライン?なんで?」
夏樹
「えー?課題のこととかー、色々聞きたいし~。」
担任
「ラインやってない。」
夏樹
「うわ!超嘘くさっ!!」
愛
「ウケる(笑)」
担任
「いや、ホントにやってないよ。必要ねぇし。」
夏樹
「なんかあたし、拒否られてる?(笑)」
愛
「だね(笑)」
担任
「いや、本当だって。」
夏樹
「じゃあ番号教えて?」
担任
「……近頃の高校生はずいぶんと大胆だね。」
愛
「あ、あたしも知りたーい!」
担任
「おい……お前ら人の個人情報、悪用すんなよ。」
愛
「しないから(笑)」
夏樹
「椿はー?」
椿
「私はいい」
夏樹
「あ、てか椿の教えてー?」
愛
「…は?ナツ何でこんな奴のなんて知りたいわけ?」
椿
「……………。」
・・・もう本当にだるい、話し掛けんなよ、放っとけよ。
夏樹
「せっかく補習一緒になったんだし、仲良くなった方が楽しいじゃん?」
愛
「……あんたってホントに変わってるよね。」
夏樹
「ねっ、つばき!教えてよ!」
椿
「私もラインは持ってないよ。」
夏樹
「ん~じゃあ、番号でいいや!」
椿
「……わかった。」
仮テストの答え合わせをするフリをして、佐古は三人のやり取りを黙って見ていた。