COLOR~番外編集~
「おはよ、真由子。」

「ん‥悠里。」


むにゃむにゃとまだ重たい瞼をゆっくりとあげると、最初に見えたのは大好きな人の顔だった。

「あれ、私寝てた?」

私が、乱れた髪の毛を整えつつ聞くと、悠里は少し頬を膨らませた。


「めっちゃ寝てたよ。ほら、全然数学進んでない。やらなきゃ。」

そう言って、私の目の前にある解きかけの数学のノートをちょんちょん、と指差した。


「うぅ‥、やりたくない。」

「テストが近いから、数学教えてほしいって言ったのは真由子でしょ。」


私は、図星をさされて反論できずにうなだれた。

「そうだけど-!やっぱり、やる気が出ないというか‥。」

やるよ、やる。とつぶやきながら私はシャーペンを握って、ノートを一瞥した。


やっぱり高2ともなると数学は難しくなる。

こんなのきっと将来使わないだろうな、とか思いながらとりあえず手を動かした。

「ねぇ、悠里。」
「どうしたの?」

「私、悠里の入れた紅茶が飲みたいな。」

悠里の目が、ゆっくりと瞬くと、悠里の顔に笑みが広がった。

「わかった。」

そう言うと、嬉しそうに準備を始める。
その様子が、なんだか微笑ましくて、かわいらしいと思った。

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