COLOR~番外編集~
「そろそろ一分たったかな。紅茶入れるね。」

「あ、はーい。」

悠里が、慣れた手つきでポットを持って茶漉しをカップの上にのせた。

私にはその違和感が何かわからない。わからないのはとても不安だ。

だから、せめて。

この悠里との、大好きな人との、幸せな時間を大切にしたいと思う。


コトコトコト


カップに紅茶が注がれると、湯気が立ち込めた。

瞬間、いい香りが広がる。

「わぁ、すごいいい香り!」
「本当?ありがとう。」

ここまで。悠里と結ばれるまで色々あった。

有紗に勝利が好きだとカミングアウトされて。

悠里と一緒に有紗の恋を応援するうちに距離が縮まったんだ。

「はい。これが真由子の分。」
「ありがとう!」

悠里のもとの世界での過去とか、寮母さんとの関係とか大変なこともあったけど。

やっぱり、私は悠里を好きで良かったって思ってるよ。

きっと、もしもう一度始めたとしても悠里を選ぶ。

< 23 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop