COLOR~番外編集~
カップにゆっくりと口をつけて、ごくり。一口。

「美味しい。」

悠里の入れた紅茶は本当に美味しいや。

「良かった。」

そう言って、悠里は微笑む。

「まだマカロン食べるでしょ?」
「もちろん。」

「だと思った。」

私が大きく頷くと悠里は苦笑した。

「んー、次は何色にしようかな。」
「あっ、あと数学もやってね。わからなかったら俺が教えるから。」

「はーい…。」

ちゃんとやるから大丈夫、と言い分けめいた返事をする。

もう一口、紅茶を飲む。

温かさが体中に広がる。

「あったかい。」


そう言って、私はふんわりと笑った。

幸せだな、そう思った。


カップの水面に映る自分は不安定に揺れていたけれど、何も見なかったふりをする。

「ねぇ、悠里。」

「……どうしたの?」


悠里がこくりと首をかしげた。

「私、悠里が大好きだよ。」

目の前の顔に驚きが浮かぶ。けれど、すぐにその驚きは笑顔に変わった。

「俺も。」
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