COLOR~番外編集~
「うん。代わりに学園ラブストーリー2が始まる。」


新しい物語が始まる。前と同じ、セレーノ学園で。


そこに咲はいない。


「そうか……。」





途端に病室には沈黙が落ちる。





聞こえるのは、風で揺らめくカーテンの音だけだった。


白、白、白、青。




青い花は、とてもよく映えているけれど俺には白も青も色褪せて見える。


──本当はどうでもよかった。



「……ごめん。」


不意に咲がそう告げた。

「え?」
「俺のせいで要に行かせることになったから。」


咲がもとの世界に戻ったことで、ゲームの世界の案内人がいなくなった。



だから、代わりに俺が選ばれた(・・・・・・)



学園ラブストーリー2の、ゲームの案内人として。咲と同じように。



「本来要は関係なかったのに、巻き込んだのは俺のせいだから。」


咲は、そう言って嘲笑った(わらった)


まるで、秀ちゃんと出会う前の咲みたいに。昔のような冷たい笑顔で。


きっとそれは、誰でもなく自分自身に対しての嘲笑なんだろう。

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