COLOR~番外編集~
「え、あの」 

「いいですか、小梅さん」


青年は何かを決したような顔になって、少女と目を合わせた。

少女は何がなんだかわからない顔をしている。


そして、青年とずっと見つめ合っているということに対してだんだんと顔は真っ赤になっているようだ。


青年は軽くため息をついてから、ぼそりと呟くように口を開く。


「小梅さんはもっと自分がかわいいことを自覚してください」
「‥‥へ、私が?」


「そうです、自覚してください」

こっちだって毎回大変なんですから、と青年は遠い目をした。



なるほど、色々と我慢するのが大変なんだろう。

見ているこちらは思わず同情してしまった。

「は、はい‥」


ただ、少女の方はあんまりわかっていないらしい。

返事をしているものの疑問符を浮かべている。



まあ、でも、と青年は笑みを浮かべた。



「俺も、小梅さんに最近会えなくて寂しかったのは本当です」

「大和さんも‥‥?」


少女は驚いたように青年を見つめ返した。


「じゃあ‥一緒ですね!」


ジワジワと嬉しさが溢れてきて、最後には満面の笑みで少女は無邪気に告げた。


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