COLOR~番外編集~
「っ‥」
瞬間背中が凍った。
ゾッとした。
青年がこちらを見る目は、さっきまで少女を見ていた温かい目ではない。
とても冷たい冷たい、氷のような目。
こちらを射抜くような目でじっと睨みつけていた。
『この子に見惚れるのは許さない』
まるでそう言われているようだった。
‥あぁそうか。
その瞬間理解した。
少女に見惚れる人へこのような表情をするほど、青年は少女のことを想っているのか。
笑みが少し溢れる。
それは、そんな二人に昔の自分の青春時代を重ねてしまったからか。
悪い気分ではなかった。
さあ、帰ろうか。ここはもう退散しよう。
まだ睨まれているのを感じながらも、素早く背を向けて階段を降りる。
「それにしても」
少女はそんな青年の想いに全く気がついていなさそうだった。
「あれだけ鈍いと先が思いやられるな」
青年が不憫になって、そっと苦笑した。
***
大和side
「大和さん、どうかしました?」
入口の方をじっと見つめていたことを不思議に思ったのか、小梅さんは目を瞬かせて首を傾げた。
あの男に気づいてなかったのか。
そのことに安心感を感じる。
「いえ、なにもないですよ」
だから、さっきまでの氷のような目をまるで感じさせない穏やかな表情で笑顔で告げた。
「ただ、大きな虫が飛んでいただけですから。」
fin
瞬間背中が凍った。
ゾッとした。
青年がこちらを見る目は、さっきまで少女を見ていた温かい目ではない。
とても冷たい冷たい、氷のような目。
こちらを射抜くような目でじっと睨みつけていた。
『この子に見惚れるのは許さない』
まるでそう言われているようだった。
‥あぁそうか。
その瞬間理解した。
少女に見惚れる人へこのような表情をするほど、青年は少女のことを想っているのか。
笑みが少し溢れる。
それは、そんな二人に昔の自分の青春時代を重ねてしまったからか。
悪い気分ではなかった。
さあ、帰ろうか。ここはもう退散しよう。
まだ睨まれているのを感じながらも、素早く背を向けて階段を降りる。
「それにしても」
少女はそんな青年の想いに全く気がついていなさそうだった。
「あれだけ鈍いと先が思いやられるな」
青年が不憫になって、そっと苦笑した。
***
大和side
「大和さん、どうかしました?」
入口の方をじっと見つめていたことを不思議に思ったのか、小梅さんは目を瞬かせて首を傾げた。
あの男に気づいてなかったのか。
そのことに安心感を感じる。
「いえ、なにもないですよ」
だから、さっきまでの氷のような目をまるで感じさせない穏やかな表情で笑顔で告げた。
「ただ、大きな虫が飛んでいただけですから。」
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