COLOR~番外編集~
小さい頃から、女みたいな名前だとバカにされてきた。それが何より嫌で、親を恨んだ。

わかっている、親が想いを込めてこの名前を付けてくれたってことは。

けれど、毎回名前を呼ばれるたびに「男!?」って驚かれるのも、「女みたいだ」って言われるのも。

もう、うんざりだった。

「嫌味…?何で!?」

うるさい、何なんだ本当に。何がしたいんだ。

この女は良くも悪くも素直で正直で単純らしい。

「すごく素敵で、いい名前って思っただけなんだけどな…」

きっと本当に何かがしたいわけではなくて、本当に名前がいいなと思っただけなんだろう。

だけど。

「ねぇ、君はそう思わないの?」

「…しつこい。」

女が俺の名前に何か言う度に、不快感がわいてくる。イライラする。

「へ…?」
「だから、もうやめてくれ!」

これ以上聞きたくない、と。
俺は思わず、叫んでしまった。


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