きっと、ずっと
「あ、あの.......」


「ん?」


「いや、ですか?」


「え?なにが?」



昴さんがキョトンとした顔になる。



「あの時の小学生なんて、眼中にないですか?」



昴さんが教育実習生に来た時にいた生徒。
あたしは、いま昴さんが受け持っているような生徒と何ら変わりはないのだ。

だとしたら、そういう目で見てもらえなくなるかもしれない。
こうして、連絡を取ることも、会うことも。
なくなってしまうかもしれない。

それは、絶対に嫌だった。
知り合ったばかりで、大人になってから会うのも2度目で。
それなのに、こんなことを言うなんて早いのかもしれない。
でも、1ヶ月やり取りをしてきて、昴さんのことを気になっているのはたしかだから。



「もう、そういう目でしか見れないよ」


「そういう目?」



それは、どっちの意味だろう。
元生徒としてしか見れないというのであれば、あたしは今すぐここから立ち去りたい。

女子高から女子大に進んで、なかなか出会いのないあたしにはこんな感情久しぶりなのだ。

< 7 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop