きっと、ずっと
「この前会った時から、1人の女性としてしか泉ちゃんのこと見てないよ。今更、あの頃の小学生だなんて見れるわけないだろ?」



ふっと笑う。



「あ、あの!あたし.......っ「待って、俺に言わせてよ」



少し食い気味だっただろうか。
あたしがこれから言う言葉が昴さんにはわかるようで、あたしの口に自分の人差し指を当てる。

そんな、昴さんの行動には、どれもドキドキさせられて。
人差し指を当てられた唇が今は熱い。



「あの時、合コンで俺の向かいにいたのが泉ちゃんで良かったって思ってる」


「.......はい」


「泉ちゃんはさ、あの時他に来てた教育実習生のことは覚えてる?」


「.......いえ、まったく」



あたしのクラスを担当していとが昴さんだったからだろう。他の人がいたことは記憶にあるが、顔とか名前とか一切覚えていない。



「はは、他の奴らも泉ちゃんのクラスに何度かヘルプに来てたのに」



クスクスと可笑しそうに、でも嬉しそうに笑う。



「でも、1番関わったのは昴さんじゃないですか」



そう、あたし達のクラスの生徒が1番関わったのは、間違いなく昴さん。

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