KA大サービス。
珈琲の香り。
あたしはユエ・テルミ。

オルセーヌ・オルファンと博物館惑星におもむく。

行商人だ。

カセットテープが売られていた。

珈琲を頂く。

「ニルヴァーナ作戦?」とオルセーヌ・オルファン。
「そうだす。

銀河中央ユニオンとアルコルの双方の宇宙艦隊が睨み合っているが、ニルヴァーナ作戦が裏にある、という話だす」と行商人だ。

オルセーヌ・オルファンは露天で珈琲のカップを持ち上げて口に含むと。

「そうかもしれない。
近年アルコルと銀河中央ユニオンの和睦は進んでいるがそれをよく思わない層は双方にいるはず」といった。

「そこで、外交部過激派による、ニルヴァーナ作戦だす。
双方の艦隊を互いに軍事衝突させる。

大学入試で文系に理数系が加わったのもニルヴァーナ作戦の一環だす」

「ニルヴァーナ作戦とは?」
「人類家畜化計画だす」

「信じがたい。
だがアルコルと銀河中央ユニオンの外交部過激派ならやりかねんな」

「そこであたしの出番なわけね?」
「そうだす」

そこで何が話し合われたかというと、珈琲の煎れ方とかだ。

「ニルヴァーナ作戦の当面の目的は、アルコルと銀河中央ユニオンの双方の軍事衝突だ」
「そうね」とあたし。

つづけて。

「でもそんなものあたしたちには防ぎようもない」
「銀河は広く、人間はごく小さいからな」

とオルセーヌ・オルファン。
あたしは、珈琲を口に含む。苦味と香りだ。
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