KA大サービス。
リュシカの故郷。
リュシカはあるとき故郷で起きた戦の話をした。

そこでは自然が豊かだった。
土地の開発に反対する先住民はしばしば厳格な統治がなされていない銀河中央ユニオンと対立したのである。

今から二百年前のこと。

結局は情報化が全てであった。

面白い娯楽や音楽。ハイパー宇宙通信網。

それらが銀河中央ユニオンや銀河にあることに気づいた先住民は文化を捨てて、銀河中央ユニオンの文化を受け入れ、断片的な文化で生きようとした。

一方、また先住民は受け入れた情報化を捨てるのは困難であった。代替する技術がないうえに、銀河中央ユニオンの懐柔は巧妙であり、全ての文化を捨てさせたわけではないから。

結果的に辺境惑星はありふれた場所となり、ありふれた情報しか生まない価値が低い場所となった。

無論、先住民も手をこまねいていた訳ではない。
自己の文化的アイデンティティを確立しようと模索したのだ。

そしてそれらが銀河中央ユニオンにとても適わないと知りながら模索を繰り返したのである。

結局のところ辺境惑星は中進国以上の段階へは進めなかった。魔女リュシカが故郷を半ば捨てたのは、そういうわけなのだ。

ごくありふれた場所で起きた話だ。
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