耐雪梅花麗〜愛〜
次に来たのは…刀屋さんでしたー。

「今日はこれが一番の目的だからな。」

と、土方副長。

どれにしよっかなー。自分の身を守り、この国を変えるかもしれないものだから、ちゃんと選ばなきゃねー。

「あ、これ、いいじゃん。」

最初に選んだのは小刀。雪月美桃だって。

「あ、それは雪月美桃どすなぁ。その刀、言い伝えがあってですね、これを作った人は分かってないんですけど、その人が言ったらしいんです。『この刀を使いこなせる者は雪姫の生まれ変わりの娘であろう。』ってね。試しに少し振ってみなよ。」

店主さんが言った。

「うぅん、使いこなせる気はしないけど、やってみるか。」

ブンっ!ふ、振りやすい。

「お客さん!あんた、雪姫の生まれ変わりの娘様だ!そういえば、あんた、姉君と妹君がいらしたでしょう、そちらの方は、これがいいんじゃないか…」

と、店裏に入っていって、持ってきたのが『雪月美梅』と、『雪月美桜』。

梅桃桜か。

「ふ、振りやすい?!」

2人も驚いてる。この刀。真剣のくせに、木刀くらい軽く感じる。でも、実際は、凄く重いらしい。

「ちなみに、『雪月美梅』と、『雪月美桃』、『雪月美桜』は、雪の降る月夜の日と、美〇の花が咲いている頃に最も振りやすくなるらしい。」

と、店主さん。

次は大刀を選ぼう。

「これにしよっかな。」

あとの二人も選んだらしい。見せ合いっこしようかな。どれどれ…

「ええーっ!」

どうやらこれも、姉妹刀(よく分からんが)らしい。

誠華姉は、『水晶斬紅葉(すいしょうぎりくれは)』、私は『水晶斬若葉(すいしょうぎりわかば)』、桜華は『水晶斬桜(すいしょうぎりさくら)』

「ええーっ!、皆さん、それ、また言い伝えが残る刀ですよー!確かそれは…『試しに水晶を斬ったら紅葉は、紅に、若葉は若葉みたいな緑色に、桜は桜色に光って、刀をより斬れるものにした。そしてその水晶は光ながら天に登り、紅葉や若葉、桜の花びらを残していった。』っていうのがね。作者もわかっとらんどすし、ほんとかどうかはわからんのが私の言えることどすが、業物でっせ!」

ということで、これにしました。またこりゃ振りやすくってねー。

あとは懐刀。これ降るというよりかは、突くだからねー。

「これよくない?」

『清姫』シンプルな名前だね。

他のふたりは…『琴姫』(誠華姉)『黒姫』(桜華)

また姉妹刀っぽい。気が合うね。

「ま、また姉妹刀?!それは物語に出てくる姫の名前を名付けたものどす。業物どすえ。」

ということで、この3振り×3人分=9振り

購入しまーす!

「お兄さん!これくださーい!」

「はいよぉ!じゃあ、40両でどうどすか?」

40両……安っ!なんで?

「こんな業物をの40両で売ってくれるんですか?」

「えぇ、確かに業物なんどすが、 これを扱える人はなかなかおらんのんどす。もうしまってしまおうかと思っていたところ、買ってくださいましたんで、この値段にさせて頂きました。」

「ありがとうございます!」

ということで、刀買えました!



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