耐雪梅花麗〜愛〜
「遅いぞ凜華ちゃん。」

ごめんなさいね、左之さん。たぶん短気だわこの人。でも、あんま怒ってないから適当に流しとこ。

「すいません、遅れました。行きましょう!」

「オゥ!俺は楽しみだぜ!何せ妓(おんな)が沢山いるんだからな。」

妓がたくさん…まさか

「島原に行くんですか?」

「あぁ、そうだが。」

え?女の格好で?女が島原の宴会に行くなんて前代未聞だよ。

「女子が島原に行っていいんですか?」

と誠華姉。やっぱ思うよね。

「え?隊士なんだからいいんじゃね?なあトシさん。」

「ん?まあいいかぁ。」

「ほら!喜べ櫻間!もちろんここの男共!今日は妓が沢山いるぞ!」

周りはわーっ!となっているが

「私たち女子ですよ。」

と桜華。結構睨みを利かしている。

「嬉しくないのか?」

と新八さん。

「いや、可愛いなーとかは思いますけど、別に嬉しいとは…。でも、お酒が飲めるのは嬉しいです!」

と誠華姉。実は誠華姉日本酒が好物なのです。

「じゃあ決まりだ。島原、角屋へ行くぞ!」

近藤局長がそう言い、外に出た。空には満天の星空。明るくないからこそ見える神様からのご褒美。(あのおちゃめな神様からのご褒美…では無いな。きっと違う神様からのご褒美だよね。)

ここへ来たことを祝福するように幕末の夜道を歩いた。
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