来世はセロリになりたい、
「セロリ?あんまり好きじゃないなあ、癖あるし」

やっぱりか、やっぱりセロリって良くない意味だよなあ、
何人かのクラスメイトに聞いたら大抵同じ答えが返ってくる。
「凛子、まだそれ気にしてたの」

「セロリだよ!?セロリ!どんだけ私嫌われてるの、」

「う、でも別に凛子も桜空先生のこと嫌いだからいいんじゃない、」

「それはそうだけど、」

「それより、コンクール、あと1週間だよ、」

「もうそんなか、」

コンクールに集中しなければいけないことなんて分かってる。
けれどやっぱり彼女を気にしてしまう。

はっきり言わせてもらうとうちの吹奏楽部は弱い。
銀賞止まりで金賞は取ったことがない。
吹奏楽部ではい人にはよく分からないだろうが、吹奏楽コンクールというのは、全団体に銅、銀、金、が振り分けられる。
つまり銅賞イコール3位ではなく、銅賞の中にも下や上があるのだ、
金賞と言われる中でも、金賞の上の方でないと次のコンクールに行けないなど、吹奏楽はややこしい。

つまり銅賞は参加賞みたいなものだ。
私は中学3年間1回しか金賞を取っていないし、上に進んだことがない。

「行けたらいいよね、県大会」

「ほんとだよね、金賞とろ、」

夏休みだが容赦なくある練習、
暑いのに彼女はクーラーを付けながら窓を開ける癖がある。

1週間前だからだろうか、ミーティングで彼女が話をするらしい。
大した話はしないだろうが、高校で始めしっかりと彼女の話を聞くとなるの緊張してしまう。
部長が彼女を呼ぶと、彼女は真面目な顔で話し始めた。
少しこちらをみた、


「1週間後にはいよいよコンクールがやってきます。3年生にとっては最後のコンクール。2年生にとっては、未経験者の人は初めてのコンクール、そして1年生は高校にきて初めてのコンクールですね。」

高校と中学でなにか違いはあるのだろうか、もしあるのならば、少し寂しい気もしてしまう。

「悔いのないように、やれる限りのことをしましょう、そういうのが1番だと分かっていますが、やはりやるならば金賞が私は取りたいです。」

「音楽は美しさを求めると美しくなくなる、そう私は考えます」


「楽しみましょう、そうすればきっと私たちの目指す音楽は美しさを出してくれますよ。
7日間、気を抜かずに頑張りましょう。」

今年はメンバーが整っていたりすることもあり、上手い。
銀賞は確実だろう。
金賞、取りたい。

「テナー軍もがんばろうね」

同じ楽器の先輩が嬉しそうに言う。
先輩にとって最後のコンクールだ。
私にとって最初のコンクール。
先生、いや、彼女に






絶対金賞を取らせてあげたい。
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