2つの声 〜トドケ、ひびけ〜
「りゅうちゃん!大好き!」
抱きついてくる彼女。
「どうして…私、何も出来ないの?」
悩みを抱えて、涙を流す彼女。
「あ、ほかの女の人見てたでしょ!!もぉ〜!」
嫉妬して、怒る彼女。
たくさんの記憶が溢れ出して止まらなかった。

「なんで、こんな大事なこと… 忘れてたんだろう。」
俺には彼女がいた、、、
大切で愛している彼女が。
なのになぜ忘れてしまってたんだ。

救急車を呼び終わって、俺のそばに駆け寄る友達。
「お前、なんで手伝わないん……「なぁ!俺の彼女…いや、ひなはどこにいるんだ?」
慌てて怒ってるみたいに友達に聞いた。
すると、友達は少し下を向いて、言いづらそうに言った。
「ひなちゃんは………… 事故の時にお前を少し庇って亡くなったよ。」
その言葉に俺は黙った。
そして、涙がこぼれていた…
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