2つの声 〜トドケ、ひびけ〜
触れたい…

ひな side

「おはよう!」
毎朝、白い病室の中で外を眺める君に言うのが日課。
たとえ、君が「おはよう!」と言ってくれなくても私は言い続ける。

あの時…
キキィーッ ドンッ

2人でカフェに向かって、歩いてた日。
ブレーキが効かず、歩道に突っ込んできた車によって、君は重症をおった。
そして、2人の思い出も私のことも思い出せなくなった。
もう、あの時のように笑い合うこともできなくなってしまった。

私がカフェになんか誘わなければ…
君はこんな風にならなかったのかな…
ごめんね……

それでも、君が生きているだけ嬉しい。
良く考えれば、君は私のことなんか思い出さなくていいのかも…
辛い思いはして欲しくないから。
新しい人生だと思って、、
私よりも美人な
私よりも可愛しく
私よりも君を愛してくれる
そんな人に出会って欲しい。
そして、幸せになって欲しい。

だって………
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