わたしの願い
龍希side
◇
愛に自分のことを話して付き合うようになってからも、みんなには内緒だった。
俺は別によかったけれど、愛が嫌ならわざわざいう必要もないって思ったから。
でも、唯一昴だけには話した。
あのとき、愛が教室に戻ってきたときに機転をきかせて2人きりにしてくれたおかげで今があると思ったから。
それに先生にもわざわざ体調崩しちゃったみたいでといってくれたらしいし。
「俺、愛と付き合うことにした」
「愛って、藍沢さん?」
「そう」
「そっか、よかったな」
「あのさ、ひとつ聞いてもいい?」
「なに?」
「なんで俺のこと応援してくれたの?愛のこと苦手っていってたのに」
転校してきた日、俺が愛に話しかけにいったときに昴は
――「たぶん一人でいるのが好きなんだよ、誰とも話してるのみたことないし、暗いし、正直俺はちょっと苦手」
といってたから気になってたんだ。