わたしの願い
「愛をね、誰が引き取るかってなったときにわたし真っ先に手挙げたわ。わたしたちには子供もいなかったし、なによりお姉ちゃんの子供だったから育てたいって思った。
でも、そのあとすぐに遥がお腹にいることがわかったの。それでも愛のこと育てようって決めた。一気に2人になってしまうけれど、それでも頑張ろうってお父さんと決めて」
「・・・」
「でも、遥優先になってた。愛はね、昔からなんでもできたの。勉強も運動も、それにお手伝いだってやってくれた。それに比べて遥はわたしたち親がいないとなにもできなくて。
愛が寂しがってるのわかってた、苦しんでるのも、それなのにいつの間にかどうしていいのかわたしにもわからなくなってた。愛と遥もあんまり仲良くしてくれなくて、性格も全然違くて。
私の中でもいっぱいいっぱいになってたの。それに、わたしとお姉ちゃんは似てたからわたしと愛も似てて、まわりからみたら子供じゃないってわからないだろうし、愛だって気づかなかったくらいなんだけど、それでも愛はお姉ちゃんにそっくりなの。
愛が大きくなればなるほどお姉ちゃんに似てきて、愛の顔をみると思い出してつらくなってた」