わたしの願い
「愛って名前はね、お姉ちゃんがつけたの。愛される人間になってほしい。愛に溢れた人間になってほしいって意味だっていってたわ。
それなのに、わたしたち愛のこと愛せてなかった。愛情ある子に育ててあげられなかった。お姉ちゃんたちは愛のことすごく愛してたのに。自分たちよりも愛のこと優先で命をかけて守ったのに。
・・これもね、あとからあなたを抱きかかえて助けたレスキューから聞いたんだけれど、あのとき泣きじゃくる愛をみてお姉ちゃんがいったんだって。“愛してる”って。そしたら愛が泣き止んだらしいの。」
涙が頬を伝った。
今までずっと愛されたいって思ってた。
でも、わたしは愛されてた。十分すぎるくらいに。
本当のお母さんとお父さんの愛情をしっかりと受けてた。
命がけで助けてくれた。
それなのに、昨日その命を捨てようとするなんてわたし最低だ。