わたしの願い
「わたし、今までずっと愛されたいって思ってたの。たったひとつだけ願いが叶うなら、誰かわたしを愛してほしいって」
「愛・・」
「もっとお母さんとお父さんと話したかった。でもなにをやっても遥と比べられて、まわりからも正反対っていわれて、友達もいなくて。
愛されたいって思ってたのに、それを遠ざけたのも自分だった。向き合わないで壁をつくったのはわたし。でも、それも今日でおしまいにする。わたし変わりたいから」
「愛はやっぱりお姉ちゃんに似てるわ。そういう強いところが。でもなんでもできる分、寂しがりやでひとりで抱え込みやすい。それがわかってたのに、本当にごめんね」
お母さんはわたしを抱きしめた。
そのぬくもりは今まで感じたことないくらいあったかくて、そして懐かしく感じた。