わたしの願い
「遥にもそんな思いさせてたなんて。母親失格ね」
「俺こそ、父親失格だ」
わたしたちは、家族という形を気にしすぎたのかもしれない。
それぞれがお互いを気にし、でもそれをうまく伝えらなかった。
遥は遥で苦しんでたんだと思う。
小学生のときに本当の姉妹じゃないと知ってから、わたしとの関わり方がわからなくなって、そんなわたしはわたしで、性格の違いから遥とのかかわり方がわからなくなってた。
「わたしを引き取ってくれて、育ててくれてありがとう。わたし、ちゃんと家族になりたい。なんでもいいあえて、好きなところも嫌いなところも含めて好きっていえるようになりたい。家族だからこそ、弱いところも自分の悪い部分も見せて、でもそれでもいいって思えるの。
わたしにとっての家族はいまここにいるお母さんとお父さんと遥だから」