わたしの願い

龍希side





愛がでていったあとの教室は険悪なムードだった。


「ねえ、遥ちゃんどうして?」


どうしてそこまでお姉ちゃんである愛のことを嫌うのかが俺にはわからなかった。



「お姉ちゃんはなにもわかってない、なにも」


でも少しだけ悲しそうにいう遥ちゃんをみてこの子もなにか抱えているのかもしれないと思った。




――キーンコーンカーンコーン


「わたし戻りますね」


「遥ちゃん、なにかあったらいつでも相談して」


俺は紙に自分の連絡先をかいて渡した。



「はい、ありがとうございます」


さっきまであんなにこびるようにしていたのに、そんな面影は一切なかった。


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