わたしの願い
「その子のこと、大事にしてあげなさいね」
「うん。そうしたいと思ってる」
「龍希がこんなにも思ってるんだもの。きっと見つかるわよ。大丈夫」
「ありがとう、おばさん」
不安は全然消えたわけじゃないけれど、それでも少し楽になった。
それからごはんを食べて、俺はもう一度愛に電話をかけた。
「もし、もし」
電話が繋がって愛の声が聞こえたとき俺はどうしようもなく愛に会いたくなった。
泣いている愛のことを抱きしめたいと思った。
隣の県になにをしにいっていたのかまでは聞けなかったけれど、それでも愛が追い詰められていたのは確かだ。