わたしの願い
「かくしてたのはね、私の中で忘れたい過去だったから。でも、それよりもきっと龍希くんに嫌われたくなかったから。わたし愛されてこなかったなんていっといて嘘だって思ったかもしれないけれど、でもあのことはわたしの中で嫌な思い出だったから」
「うん、わかった。話してくれてありがとう」
愛が唯一心を許していた人。そんな人からの裏切りなんてどんなにつらかったんだろう。
きっと愛はそのことがあってから余計人と関わることが怖くなってしまったんだろう。
「一昨日ね、わたし死のうとしたんだ」
「っ」
「そんなつもりなかったんだけどね、ふと思って。でもいまは生きててよかったって思ってる」
「愛・・」
「昨日親とちゃんと話したの。わたしね、ちゃんと愛されてた」
「え?」