わたしの願い

「ねぇ、今日2年生に転校生きたらしいよ」

「え?まじ?この時期に?」

「そうそう、しかもかなりのイケメンだって」

「何組?」

「3だって」

お姉ちゃんのクラスだ。

わたしは別にイケメンに興味があったわけじゃない。

ただお姉ちゃんと話す機会がほしくて、お姉ちゃんと話した。

嫌われ役はキープのままで。


でもたしかにかっこよかった。

優しそうだしいい人そうで、洋輔と少し重なった。

お姉ちゃんが好きそうなタイプ。

一瞬でそう感じた。


そしてわたしの予想通り、お姉ちゃんはよく笑うようになった。

それは家族の前とかじゃなくて、一人でいるふとした瞬間だったけど。


そのとき私の中で眠っていた黒い感情がでてきた。

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