わたしの願い
「愛、見つかった。よかった」
お母さんが嬉しそうにそう口にしたとき、わたしも向き合う決心を決めた。
本当はあの日、ずっと廊下で会話を聞いてた。
お姉ちゃんの生い立ちのこととか含めて。
嫌われ役は、これでおしまい。
わたしは言いたいこと、全部いった。
「わたしを引き取ってくれて、育ててくれてありがとう。
わたし、ちゃんと家族になりたい。なんでもいいあえて、好きなところも嫌いなところも含めて好きっていえるようになりたい。家族だからこそ、弱いところも自分の悪い部分も見せて、でもそれでもいいって思えるの。
わたしにとっての家族はいまここにいるお母さんとお父さんと遥だから」
お姉ちゃんのこの言葉を聞いてさらに泣いたわたし。
でもその日囲んだ食卓は今まで生きてきた中で一番幸せな、笑顔があふれた空間だった。