わたしの願い



「あれ?もしかして愛?」

帰り道龍希くんと歩いていると後ろから聞き覚えのある声がした。

「よ、うすけ?」

「うわ、やっぱり愛じゃん。久しぶり、元気だった?」

幼なじみの洋輔だった。

会うのはあの日以来。


「う、うん、元気だったよ、洋輔は?」

「元気元気。てかめっちゃイケメンじゃない?誰?」

さっきから隣をジロジロみていたから聞かれるだろうとは思ってたけど、聞かれたくなかった。

「お前こそだれ?」

それに、こうなるのも嫌だった。
こうなる前に立ち去りたかった。

龍希くんには話したけど、名前まで言わなかったから、幼馴染だといったら嫌な顔をするだろう。

すでに少しイライラしてるみたいだし。
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