わたしの願い
*
「ただいま、遥いる?」
「おかえりなさい。ええ、もう帰ってるわよ」
帰ってきてすぐわたしは遥の部屋に向かう。
――コンコン
ノックをしてすぐドアを開けると遥はベッドに寝転がっていた。
「お姉ちゃん?なに?どうしたの?」
「ちょっと話があるんだけど・・洋輔のことで」
洋輔と聞いた瞬間遥は飛び起きてわたしをじっとみつめた。
「洋輔と、会ったの?」
「うん、さっき。それで全部聞いた」
「そう、なんだね」
「ごめんね遥。わたし何も知らなかった。遥のせいにしてた。遥がきっとあの写真を撮るのを指示したんだと思ってた」
「それはしてない。でも一緒。しようとした。だからわたしはお姉ちゃんに睡眠薬を飲ませた、それに変わりはない」
「でも、それでも、わたしを傷つけないために嘘をついてくれたでしょう?」
「でも、あの嘘でもお姉ちゃんは傷ついた。あの日、お姉ちゃんの部屋から聞こえる泣き声が、わたしにはつらかった」
そういった遥の目からすーっと一筋の涙が落ちた。