わたしの願い



「ただいま、遥いる?」

「おかえりなさい。ええ、もう帰ってるわよ」

帰ってきてすぐわたしは遥の部屋に向かう。


――コンコン


ノックをしてすぐドアを開けると遥はベッドに寝転がっていた。

「お姉ちゃん?なに?どうしたの?」

「ちょっと話があるんだけど・・洋輔のことで」

洋輔と聞いた瞬間遥は飛び起きてわたしをじっとみつめた。


「洋輔と、会ったの?」

「うん、さっき。それで全部聞いた」

「そう、なんだね」

「ごめんね遥。わたし何も知らなかった。遥のせいにしてた。遥がきっとあの写真を撮るのを指示したんだと思ってた」

「それはしてない。でも一緒。しようとした。だからわたしはお姉ちゃんに睡眠薬を飲ませた、それに変わりはない」

「でも、それでも、わたしを傷つけないために嘘をついてくれたでしょう?」

「でも、あの嘘でもお姉ちゃんは傷ついた。あの日、お姉ちゃんの部屋から聞こえる泣き声が、わたしにはつらかった」

そういった遥の目からすーっと一筋の涙が落ちた。
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