わたしの願い
*
「今日さちょっと寄り道しない?」
「いいよ」
カフェにはいって向かい合わせで座る。
愛とこうして向き合うのはなんだか久々な感じがした。
「なにかあったの?」
「いや、とくに・・・」
なんで黙ってんだ俺。
「愛はさ、進路きめた?」
そして口からでた言葉はこんな言葉だった。
たしかに聞きたかったけど、学校でも聞けることなのに。
でも愛はそんなこと気にする素振りもなかった。
“臨床心理士”
はじめてきく愛の夢。
そんな俺もはじめて自分の夢をいった。
愛にぴったりだと思うって言われてほっとする。
「お互い頑張ろうな」
夢がいつかかなったとき、俺は愛のそばにまだいるんだろうか?
愛の隣で笑っていられるんだろうか?
愛をずっと好きでいられる自信はあるのに、愛がどんどん先に進んでいってしまうのが不安でたまらなかった。