わたしの願い
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三者面談はあっという間に進路の話はおわった。
先生からも成績がいいから行きたいところにいけると思うっていわれたので、ひとまず安心。
それからは雑談みたいな感じでわりとゆるーい三者面談だった。
そして、三者面談がおわったら夏休みだ。
受験生には夏休みはなくほとんど勉強っていうし、もちろんそのつもりなんだけど、わたしはどうしても行きたいところがあった。
「ねえ、龍希くん、夏休み海いかない?日帰りでいけるところなんだけど・・」
「え?海?」
「そう、あのね、会いたい人がいるの」
わたしの命の恩人でもある渉くんには会いにいきたかったんだ。
今度いくって約束したし、来年とはいわなかったけれど、はやく報告したかったんだ。
いま、すごくたのしいよって。生きててよかったよって。
「わかった、いいよ」
龍希くんも勉強大変だろうし一人でもいいかなって思ってたけど、龍希くんには知っててほしかったんだ。
わたしを助けてくれた渉くんのことはもちろん、あの日のことも。
でもわたしはこのとき龍希くんが抱えている悩みのことなんて知らなかったんだ。