わたしの願い



「うわー、ひとすげえ」

「ほんとだね」

この前きたときは冬だったから人なんて誰もいなかったけれど今は違う。

夏休み真っ最中。

あのときひとりで眺めた海は寂しくて冷たく感じたけど今は賑やかで海も嬉しそうにみえる。

海に入りにきたわけじゃないけどせっかくだからといって足だけはいった。

「つめたい!でもきもちいいー」

「気持ちいいね」

お互い足だけバタバタさせて少しだけ子供のころに戻ったような感覚。


「愛の会いたい人はどこにいるの?」

「海の家にいるっていってたんだけど・・あ、あれかな?」

屋根がついたお店みたいなものが砂浜のところにぽつんとたっていた。

でもそこにも大勢の人がいた。

きっと食べ物とか道具とかいろいろ売ってるんだろうな。

「いってみるか」

「うん」

せっかく海にはいって少しだけ涼しくなった足も歩き始めるとすぐに暑くなってきた。
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