わたしの願い
「彼氏もかっこいいし、愛幸せ者だな」
「うん、そうなの。本当に幸せ」
「はは、のろけかよ。俺なんて大学いってからも彼女なしでこんな暑苦しいところでバイトだよ」
「渉くんも素敵な人だから、きっといいひとすぐみつかるよ」
「おう、ありがとな。それに会いに来てくれてありがと」
「ううん。渉くんは命の恩人だから。ずっと忘れない」
「うん。俺も。忘れないよ」
そういったあとしばらく2人でぼーっと海のほうを眺めた。
波が高かったり低かったり。
泳いでる人もいればうきわで浮かんでる人もいればサーフィンを楽しんでる人もいる。
砂浜ではお城をつくったり砂団子をつくったり、日焼けしてる人も。
「なんかすてき」
「だろ?俺は本当にすきなんだ。この海が。この空間が」
「わたしも海好きだったけど、いまはもっと大好きになったよ」
「よかった。海はさ、逃げないから。いつでもおいでよ」
「うん、ありがとう」
龍希くんが歩いてくるのがみえて渉くんが立った。