わたしの願い
「寺島さんおまたせしました、どうぞ」
そして迎えた三者面談。
待っている間ずっとそんなことを考えていた。
「寺島くん、進路きめた?」
「はい、警察官になりたいと思ってます。なので進学します」
俺はおばさんにここではじめて警察官になりたいといった。
「龍希、どうして・・」
「困ってる人がいたら助けたいし、みんなの味方でいたい。この世界が平和であってほしい。そう考えたのはわりと最近になってなんだけど、でも俺の中でもう決めたことなんだ」
「知らなかったわ。でも龍希なら大丈夫、先生、そうですよね?」
「はい、寺島くんは勉強もできますし中心にいる存在なのでまとめ役もできますし、まわりをよくみているので困ってる人がいたら助けてあげることもできるし、正義感ある立派な警察官になれると思います」
「ありがとうございます先生」
てっきり反対されるかなって思った。
というか正直おばさんにはずっとお世話になっていて、産みの親でもないのに女手一つで育ててくれたから、少しでも負担を減らすために就職を考えていた。
だからこそおばさんにいうのはすごく怖かったんだ。
お金の面でもまた苦労をかけてしまう。