わたしの願い
「あ、そうだ。わたしと奏で愛の服選んであげない?」
「え、いいねそれ、楽しそう!」
「いいよいいよ、そんなわたしのなんて」
「わたしたちが選んであげたいの、気に入らなかったら全然いいからさ、とりあえず、ね?」
「うん、ありがと」
当たり前だけど、こんなことはじめてだ。
2人をみると楽しそうに洋服を選んでいた。
その光景をわたしは目に焼け付けた。
わたしのために選んでくれるなんてこんな嬉しいことはもうないかもしれないから、忘れないように。
「愛!愛!」
10分くらいたったくらいでやっと2人が戻ってきた。
「絶対これかわいいから、着てみて!」
そういって試着室に連れていかれて服を持たされカーテンをしめられた。
「なに、これ・・」
2人が持ってきた服をみて驚愕した。
首元の部分がレースになっていて、膝上のワンピース。
色も淡いピンク色。
いや、かわいい、たしかにかわいい。
でも・・
「わたし、着れないよ・・」
せっかく持ってきてくれて嬉しいけど、カーテンをあけてわたしはそういった。
「着てみないとわかんないよ?」
「愛、もっともっと可愛くなろうよ」
2人して手をあわせてお願いというから、わたしは断れなくて結局着ることにした。