わたしの願い



俺たちは水族館にいくことにした。

「ついたね」

満員電車から脱出して、水族館に着いた頃には汗がびっしょりだった。


「うわー涼しい!」

でも館内に入るとさっきまでの暑さはいっぺんして、急激に寒さを感じる。

でも、心地いい。

水族館はまるで海の中にもぐりこんだみたいで、好きだ。

たくさんの魚が泳いでる姿はずっと見ていられるくらい。


「すごいね」

愛も同じことを思ってくれていると感じる。

愛は水族館にくるのははじめてだといっていた。

でも海は好きといっていたからきっと水族館も気に入ってくれるだろう。

「まるで、海の中にいるみたい・・」

「あはは」

「なんで笑うの??」

「いや、だって同じこと考えてるから」

「っ!」

やっぱり愛が好きだと思う。

純粋な心、素直な心、綺麗な心、優しさ、なんでも持ち合わせてる子だから。

ほかのひとたちがどんどん通り過ぎていく中、俺たちは館内にはいってすぐの一番大きな水槽の前でずっと立ちつくしていた。

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