わたしの願い
*
「いいよ、愛、だい、じょうぶ」
そのとき龍希くんの声がした。
「龍希くん!?」
龍希くんが目を覚ました。
「わたし、先生よんでくるわね」
おばさんは風のように病室からでていった。
「龍希くん、いつから・・」
「わりと、ずっとかな」
まさか、龍希くんが聞いていたなんて思いもしなかった。
「俺、ばかだよな。何も知らなかった、母さんのこと」
「龍希くん・・」
いったん先生が入ってきてそこで会話は途切れた。
「もう大丈夫です。大事をとってあと2日間ほど入院してもらうことになりますが」
「わかりました、ありがとうございました」
おばさんと一緒にわたしも頭を下げる。