わたしの願い



「いいよ、愛、だい、じょうぶ」

そのとき龍希くんの声がした。

「龍希くん!?」

龍希くんが目を覚ました。

「わたし、先生よんでくるわね」

おばさんは風のように病室からでていった。

「龍希くん、いつから・・」

「わりと、ずっとかな」

まさか、龍希くんが聞いていたなんて思いもしなかった。

「俺、ばかだよな。何も知らなかった、母さんのこと」

「龍希くん・・」

いったん先生が入ってきてそこで会話は途切れた。

「もう大丈夫です。大事をとってあと2日間ほど入院してもらうことになりますが」

「わかりました、ありがとうございました」

おばさんと一緒にわたしも頭を下げる。

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