わたしの願い
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俺が言葉を発すると愛もおばさんもびっくりしたような顔でこっちをみた。
でもすぐさまおばさんは先生を呼びにいき2日間入院ということになった。
「おばさん、愛と、2人きりで話したい」
「うん、わかった。なにか飲み物でも買ってくるわね」
おばさんには申し訳なかったけれど、どうしても愛と話しがしたかった。
愛の手をひっぱって椅子に座らせる。
「本当は嫌いとかいっておきながら、今でも母さんのこと嫌いになんてなれてない」
「なんで死んじゃったんだよ」
後悔ばかりが押し寄せる。
勝手に流れてくる涙を拭くこともなく、ただ手をひたすらベッドに打ち付けた。
そんな姿を愛も苦しそうに見つめてくる。
「女手一つで育ててくれたのに、ありがとうの一言もいえなかった」
愛が俺の手をとって握ってくれた。
ああ、この手が俺を暗闇から救い出してくれたんだ。
あのとき、さまよっていたときに感じたぬくもり。
それがいまここにある。
俺はそれを確かめるように、強く握り返した。
「愛、ありがとう」
いままで生きてきた中で一番泣いた日だった。