わたしの願い

「冷めてるね遥ちゃん」

「うん、でもわたしは今のほうがすきかな」

「うん、俺もあっちのほうがいいと思う」

前までは誰の前でもいい顔をして甘えたような声をだして。

きゃぴきゃぴした女の子って感じだったのが今は逆。

相変わらず化粧をしたりスカートが短いのは変わらないけれど性格はずいぶん冷たくなった。

でもそれがまたよかったらしく、案外男子たちは離れていくわけではなく、むしろもっと人気があがったようにみえる。

まあ多少見た目とのギャップに驚く人もいると思うけれど。


「おまたせしました。ご主人様」

「めっちゃ棒読み」

「一応いってあげたんです。ルールなんで」

「遥ありがと」

「どういたしまして。てかここにきてコーヒーって。もっとメイド喫茶ぽいメニューたくさん用意してあるのに」

「ああ、この“ときめきハートメニュー”ってやつ?」

「そうそう、それとか。めっちゃ男子たちが面白がってつけてたんですよ」

「なにがときめきなの?」

「知らないですけど。じゃあごゆっくり」

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