わたしの願い

「そのくせ自分のときはそんなのいいからっていってね。なんで?って聞いたら自分は信じてないからって。意味わかんないでしょ?」

そういって微笑むお母さんもまた、お姉ちゃんのことが大好きだったんだろう。

「まあ、とにかく。そういうわけだから。今日はお父さんも帰り早いみたいだし、早めにご飯にして明日に備えないとね」

「うん、わかった」

部屋に戻ったわたしは制服から部屋着に着替えて最後の練習をした。

試験は小論文と面接。
それに書類選考もあるけれど、それは出願のときに出したのでとりあえず大丈夫だ。

もともと文章を考えるのは得意なほうなので小論文はなんとかなりそうな気もするんだけど、問題は面接。

1年前まで全く人と話せなかったわたしが・・と思ってしまう。

でもそんなことをいっていたら臨床心理士なんてなれない。


学校では先生や龍希くん、葉月ちゃん、奏ちゃんも面接の練習に付き合ってくれた。

昴くんも手伝ってくれたんだけど、ずいぶんふざけていて龍希くんにお前はだめだっていわれてたっけ。

その光景を思い出すと笑えてくる。

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