わたしの願い
――コンコン
そんなことを考えていたらノックがしてまだ制服姿の遥がはいってきた。
「いま、ちょっといい?」
「どうしたの?」
「これ、あげる」
そういって差し出してきたのは大きく“合格祈願”と書かれたお菓子だった。
「お姉ちゃん甘いもの好きかなーって思って。それに明日試験だから」
少しそっぽを向いて照れ臭そうに話す遥。
「ありがとう。すごく、嬉しい」
「うん、じゃあいくから。邪魔してごめんね」
そそくさと部屋をでていこうとする遥をみて「ありがとう」ともう一度口にする。
こんなにもみんなから応援されて見守られてるんだから、頑張らないと。
わたしは一度両頬をパンと叩いてまた机に向かった。