わたしの願い
「はい、これ。どうぞ」
お母さんは4つ分のお茶とお菓子をもってキッチンから戻ってきた。
「すいません、いただきます」
龍希くんはよほど冷えていたのか湯呑みをもって手をあっためながらお茶を飲んだ。
「愛のこと心配できてくれたんでしょ?ありがとね」
「いえ、俺が勝手にきたくてきただけですから」
「今日よかったらうちで夕飯食べていかない?」
「そんな、悪いですよ」
「いいのよ。今日お父さんちょっと遅くなるみたいだし、ね?」
「じゃあ・・・はい。ごちそうになります」
わたしのほうをちらっとみた龍希くんはわたしがうなずいたのをみてそう答えた。