わたしの願い
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愛の受験当日、俺は朝からずっとそわそわしていた。
一足先に合格した俺はそれからの1ヶ月くらいずっと愛の練習に付き合ってきた。
それがもう今日なんて。あっという間だと思う。
「龍希がそんなそわそわしててどうするの」
おばさんにもそうやって笑われたけど、それでもやっぱり落ち着かない。
何度も何度も時計をみた。
でもこういうときほど時計の針が進むのはずいぶん遅く感じて、いてもたってもいられなくなった俺は愛の家まで気づいたらきていた。
「龍希くん?」
1時間くらいたったころだろうか。
愛の声がして顔をあげると少し驚いた顔をした愛が立っていた。
一時間くらいまっていたというとさらに目を見開いて驚く愛。
でもさすがにやっぱり愛がいないのに家にあがるのは気が引けた。
「鼻とか真っ赤。風邪ひいちゃうよ。とりあえず入って?」
鏡もないし自分がいまどんくらい赤いのかわからないけれど、でもたしかに寒い。
愛は受験が終わって疲れてるはずなのに、なんだか気をつかわせてしまって申し訳なかった。