わたしの願い
「でもさ、みんな高校卒業後とりあえず決まってよかったよね」
「うんうん、ほんとそれだけはよかった。あんまり大きい声じゃいえないけど、年越しまで勉強ってちょっとつらいもんね」
まだ受験がおわってない組が教室に残っているので気にするように小声でそう口にした葉月ちゃん。
そんな葉月ちゃんは保育士になるために専門学校に。
「たしかにそうだよね・・・この中でもし1人でもいたらいろいろ遠慮しちゃうもん」
そういった奏ちゃんは美容師になるために専門学校に。
「いやー、でもほんと俺はついてた」
そういった昴くんは実家が自営業なのでそこを手伝いながらいずれ継ぐことに。
「お前ほとんど勉強してないもんな。お前の代でつぶさないようにしろよ」
そういった龍希くんは警察官になるために警察学校に。
「でも、本当によかったよ。みんな合格できて」
そしてわたしも無事合格し春から晴れて大学生になる。
「もうさ、ぱーっと今日は遊んじゃう?」
「いいね、それ。まだお昼だし、どっかいきたい!」
そんな昴くんと奏ちゃんの意見に3人とも賛成し、学校をあとにした。