わたしの願い
「俺、ずっと愛ちゃんのこと誤解しててごめん。なにも知らずに愛ちゃんのことひとりが好きなんだろうって思って避けてた」
「・・・」
「1年のときからさ、愛ちゃんのことは知ってたけどさ。いつも暗いなって思ってたし友達もいなくて笑った顔なんてみたことなくてさ。2年で同じクラスになったとき、正直うわって思ったんだ。こんな暗い子がクラスにいたら空気乱れるんじゃないかとか勝手に思ってさ」
「・・うん」
「でも、そんなの全部勘違いだったんだよな。愛ちゃんの過去聞いてからさ、余計考えるようになってさ。そうやって過去に苦しいことがあって自分をさらけだせないやつとか、友達作るの怖くなってるやつとかたくさんいるんだろうなって。
俺馬鹿だから、そういうの全然考えたこともなかった。でも龍希は違った。龍希ははじめから愛ちゃんのことちゃんとみてた。この学校にいる誰よりも先に、愛ちゃんの本質に気づいてた。
はじめはさ、龍希が愛ちゃんのことばっか気にしてるのみてやめとけよって思ってた。でもさ、あいつが本気なの知ってさ、なんだかわかんないけどいつの間にか応援したいって思うようになってた。
だから、なんていうか・・うまくいえないけど。本当によかった。2人の過去聞いた時から思ってた。2人には幸せになってほしいって。
って、もうすぐついちゃうな。俺ばっか話しちゃってごめん」
「ううん。ありがとう昴くん。すごく嬉しい」
こうやってちゃんと話してくれたことが、すごくうれしかった。
きっというのにためらったことだってあると思うのに、自分の気持ちもちゃんと伝えてくれて。
「高校卒業しちゃったら忙しくてなかなか会えないかもしれないけどさ、たまにはこうやって5人で集まってたくさん思い出つくろうな」
「うん、もちろん」