わたしの願い
龍希side
◇
遊園地なんて、いつぶりだろう。
記憶にある限りでは1.2回くらいだ。
愛ははじめてだといった。
それをきいて少し驚く3人。
「そっか」
でもそういった顔はなんだか申し訳なさそうな顔にみえて。
この3人に過去を話したときのことは今でも思い出せる。
3人とも静かに聞いてくれた。葉月や奏は少し泣きそうになりながら。
でも3人とも否定的なことは一切いわなかった。
「つらかったね」とか「大変だったね」とか。
それよりも「頑張ったね」、「愛が生きててよかった」、「わたしは愛のこと大好きだよ」って。
そんな言葉をたくさんかけていた。
愛の話しに俺の話。
きっとなかなかないくらいに重たくて、つらい話だったと思う。
こんな話は、どうでもいい人にはできない。
この3人だったから。昴と葉月と奏だったからできた話だった。