わたしの願い
「どういたしまして。って、話ずれてない??奏と昴の話してたのに!」
「ねぇ、その話戻る??わたしはむしろ忘れてくれてよかったんだけど??」
「戻る!本当のところどうなの?教えて?」
「・・・うーん・・・まあちょっとは気になってるかな」
「お?認めたね?これは応援しないとね。ね、龍希くん」
「もちろん。応援する」
そんな会話をしていたらあっという間に下に戻ってきた。
「ああ、あの2人なに話してるんだろ」
俺も嫌だなって思ってたけれど、内心奏もきっと嫌だったんだろうな。
まあお互いそんなこと心配するような感じじゃないのはわかってるんだけれど。
「昴くんの気持ち嬉しかったし」
でもその一言で俺の思考回路は一瞬停止した。
俺の目が怖いといって逃げていく昴。
ああ、なんだか青春だ。
こんなことができるのは今だけ。
俺はそんなことを考えながら逃げ回る昴を追いかけた。